商業誌で連載デビューしてから申告まで
いよいよ今年から連載開始で漫画家デビューという方。おめでとうございます。プロの漫画家としての活動がスタートしますね。
プロの漫画家=一人の事業主(経営者)でもありますので、漫画家デビュー=事業主デビューとも言えます。
プロになる前にはあまり気にしなかった手続きやら諸々の書類仕事もやってきます。
出版社との契約・税金関連の手続きなどなど。。。
これらのうち税金関連の手続きを下記にまとめましたので参考にしていただければと思います。
「ちょっとややこしいのは勘弁して・・・」という方は代行サービスも行っていますのでこちらよりお問い合わせください。
1 連載したらすぐに行う手続き
以下の書類を所轄の税務署へ提出する必要があります。
  1. 開廃業等の届出書(いわゆる開業届け)
    提出期限は、連載した日から1ヶ月以内です。
  2. 青色申告の承認申請書(提出期限は、連載した日から2ヶ月以内です。)
    ただし、連載した日が1月15日以前の場合は3月15日が期限となります。
    ※連載前に収入がある場合は初めて収入が発生した日から2ヶ月です(事業開始後2ヶ月以内)
デビューが年末近いし、今年は利益も出ないから来年から申告すれば良いかなと思っておられる方もおられるかと思います。しかし、それは大きな損かもしれません。 来年以降収入が増えるのであれば、今年にきちんと青色申告を利用して『赤字の申告をしておく』という事がとっても大事です。なぜなら、その赤字は来年の利益と相殺できるの で来年以降の税金の額が大きく変わってきます。 私の場合はどうなるの?という方はぜひ一度こちらよりお問い合わせください。
2 記帳(帳簿の作成・集計)
確定申告の際に、所得(=儲け)を計算しなければなりません。
所得を計算するためには記帳(=帳簿を付けること)が必要となります。
以下の資料から記帳していきます。計算期間は1月1日から12月31日です。
  1. 通帳
    原稿料等の集計、通帳から引出されている経費の集計を行います。
  2. 経費関係の領収証
    紛失のないように大切に保管しておいてください。
  3. 出版社から送られてくる原稿料等支払明細書
    捨ててしまう方が大勢いらっしゃいますが、捨てずに保管しておいてください。
3 確定申告の流れ
1年間の所得計算ができたら、確定申告書の作成に取り掛かります。 申告期限は3月15日です。
  1. 損益計算書、貸借対照表の作成
    損益計算書=所得の計算書
    貸借対照表=預金残高や経費の未払分等の財産債務を把握する書類

  2. 所得控除の把握
    所得計算ができたら、所得を控除していく書類を把握していきます。
    1. 健康保険料の支払が分かる領収証等
      必ずしも領収証である必要はありません。支払金額が分かればOKです。
    2. 国民年金保険料控除証明書
      厚生労働省からハガキで送られてきます。捨てずに保管しておいてください。
    3. 生命保険料等・損害保険料等控除証明書
      各種保険会社から郵送されてきます。捨てずに保管しておいてください。
    4. その他の控除
      寄附金控除、小規模企業共済控除、扶養控除、配偶者控除

  3. 税額計算
    所得から所得控除を差し引いた金額を「課税所得」といいます。 下記の表で計算していきます。
    課税される所得金額 税率 控除額
    195万以上 5% 0円
    195万を超え330万以下 10% 97,500円
    330万を超え695万以下 20% 427,500円
    695万を超え900万以下 23% 636,000円
    900万を超え1,800万以下 33% 1,536,000円
    1,800万を超え4,000万以下 40% 2,796,000円
    4,000万超 45% 4,796,000円
  4. 税額控除
    前述で計算した所得税額から直接減額できる制度があります。 代表的なものとして「住宅ローン控除」があります。

  5. 復興特別所得税
    平成25年から平成49年まで、所得税額の2.1%を納税しなければなりません。

  6. 税金の還付
    商業漫画家の方は、原稿料や印税等から所得税や復興特別所得税が源泉徴収されています。いわゆる「税金の前払い」です。 上記で計算した所得税や復興特別所得税よりも源泉徴収税額が多ければ、差額が還付されます。反対であれば、差額を納税する必要があります。

    また、過去の分について還付を受け忘れていた!といった場合でも今から還付を受けることも可能です。(あまり大昔の分は無理ですが)自分で帳簿付けて申告まで行うのは難しいし時間もないという方や、自分が還付になるの?なるとしたらどのくらい?等改めて確認してみたいという方は、是非こちらよりご相談ください。